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final update; 28/05/2008
CERN情報

CERNにおけるニュートリノ実験(CNGS)

<CNGS>
CNGS(CERN Neutrino to Gran Sasso) Projectの目的はニュートリノ振動の研究です。

このプロジェクトは、CERN SPS加速器で作られたミューニュートリノビームを約730 km離れたイタリアINFNのGran Sasso国立研究所(LNGS)に向けて発射し、そこに設置された測定器を使ってニュートリノ振動が起きたかどうかを測定することを目的にしています。素粒子のニュートリノは他の物質とまれにしか反応しないため、地中を通過してGran Sassoまで到達します。このCERNからGran Sassoの間に、ミューニュートリノがタウニュートリノに変化したかどうかを測定することでニュートリノ振動の有無を確認することになります。

CNGS projectは、このニュートリノ実験のうちビームをGran Sassoに送るためのニュートリノビームラインをCERNが建設及び運転するものです。CNGS projectは1999年12月のCERN理事会において承認され、2000年9月から建設が開始されました。


Copyright (C) CERN


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<OPERA Project>
Gran Sasso研究所は、測定器(OPERA:Oscillation Project with Emulsion tRacking Apparatus project)の建設・測定を担当しています。Gran Sasso研究所はローマの東120kmのところに1987年に設立され、多くの実験が国際共同で実施されています。

スーパーカミオカンデが、巨大な水槽に純水を満たし、その水の分子とニュートリノが反応した時に発するチェレンコフ光を光電子増倍管を使って観測するのに対し、OPERA実験では、銅と原子核乾板の層で構成した"ブロック"(10x13x7.5cm, 8.3kg)を大量(200,000個)に組み上げ、そこを通過するときに銅と反応したニュートリノを原子核乾板で観測するという仕組みです。

このOPERA実験は、世界35研究機関から約170名の研究者がしており、日本から東邦大学、愛知教育大学、名古屋大学、神戸大学、宇都宮大学が参加しています。
2006年8月からCNGSからのビームを使って測定を開始しています。

<参考>
* CNGS
* OPERA Experiment
* Laboratori Nazionali del Gran Sasso (LNGS)
* CERN Bulletin (No.45/2007, 5th Nov. 2007)
* OPERA日本グループ
 


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