ATLAS はじめの一歩 |
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CERNで現在準備が進められているLHC実験とは、地下約100mのところに設置された円周約27kmの陽子陽子衝突型加速器(LHC; Large
Hadron Collider)を用いて行う高エネルギー物理実験を言います。
質量とは?--->Higgs goson(ヒッグス粒子) そもそも質量の起源とは何か。どうして小さな粒子が質量を有していて、またいくつかの粒子は質量が0なのか。私達に身近な「質量」の根本的な仕組みは分かっていません。 その答えと予想されているのが、Higgs(ヒッグス)粒子の存在です。これは物理の標準理論(Standard model)にとって必要な未発見の粒子です。1964年に初めて仮説が発表されて以来いまだに発見されていません。 ATLAS及びCMS実験では、このとらえることの難しい粒子の兆候を追及します。 宇宙を満たしているもの?--->dark matter, dark energy(暗黒物質、暗黒エネルギー) この宇宙で私たちが見ることができるもの、昆虫のアリから銀河まで、これらはすべて素粒子からできています。これらはすべて合わせても宇宙の質量の4%を構成しているにすぎません。それ以外の部分は、dark matter, dark energy (暗黒物質、暗黒エネルギー)と呼ばれるもので満たされていると考えられています。 しかし、このdark matter, dark energyを測定し研究することは大変困難です。dark matter, dark energyの性質を研究することは、現在の素粒子物理、宇宙論の分野においてもっとも大きな挑戦といえます。 ATLAS及びCMS実験では、dark matterの構成を解明する手がかりとして超対称性粒子を探求します。 反物質?--->なぜ「物質」の世界なのか 現在の宇宙は、私たちを構成する「物質」により成り立っています。 ビッグバン時には、この物質と全く同じ性質で逆の電荷をもった物質(反物質)が同量生成されたとされています。物質と反物質は衝突するとエネルギーとなって消滅します。しかし、ごくわずかの物質が残って、現在の宇宙を構成することになりました。 LHCb実験では、この物質と反物質の違いを研究します。これまでいくつかの実験ですでにわずかなふるまいの違いを測定していますが、物質と反物質の相違を明確に説明するのには十分ではありませんでした。 ビッグバン直後の状態は?--->クオーク・グルーオンプラズマ 宇宙を構成している物質は、素粒子の濃密で高温な素粒子のカクテルから発生したと考えられています。物質は、陽子と中性子からなる原子核を有する原子から構成されています。そして陽子や中性子は、クオークとそれをつなぎとめる役割をするグルーオンと呼ばれるもう一つの素粒子から構成されています。このつなぎとめる力は大変強力ですが、宇宙の最初期ではグルーオンがクオークをつなぎとめることができないほど高温かつ高エネルギーでした。つまりビッグバン直後の宇宙は超高温、高密度のクオークとグルーオンが混然とした状態(クオーク・グルーオンプラズマ)だったといえます。 ALICE実験では、LHCを使ってビッグバン直後に近い状態を作り出し、このクオーク・グルーオンプラズマの特性を研究します。 隠れた世界--->多次元世界 三次元世界は時間と結びついていることをアインシュタインは証明しました。その後の理論は隠れた世界の存在を提起しています。たとえば弦理論(string theory)は、まだ確認されていない余次元空間を予想しています。これらは、超高エネルギーになることで観測可能になるかもしれません。そこで、多次元の兆候を見つけるべく、すべての測定器で測定されたデータは慎重に解析されます。 <参考>CERN Web page "Why the LHC"
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